ヨーロッパ


ネブカデネザル王は預言的な意味を持つ一つの幻を見ました。ダニエルは王の幻とその解き明かしを見事に語りましたが、それはヨーロッパ地域で終わりの日に起こることについての重要な預言でした。「王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。」(ダニエル2:31−35)

この幻の預言的意味は、偶像の常ならず輝く金のはげた頭が、ネブカデネザル王自身の統治した第一の国であるバビロニア帝国(BC606−539)を現わしています。人体で頭部が能動的にすべてを管理して命じるように彼の王国も当時の世界の中で優れた繁栄を極め、能動的な諸国のリーダーとしてあたかも黄金のように栄光輝いていました。しかし、すべて、この世の栄光には終わりがあり、新たな時代がこの地に訪れました。それは、偶像の頭より下の銀製の胸と両腕が意味していた彼の後に起こった第二の国であるメド・ペルシャ帝国(BC539−330)の統治です。この王国は人体で胸を中心とした両腕が右腕と左腕の2つから構成されるように、メディア帝国とペルシャ帝国という2つの国を合併してつくった連合国であり、その力関係は、多くの人々の右手が左手よりもっと強い利き腕であるように、元々ペルシャがメディアを征服した連合王国のため、連合後もペルシャの方が強い主導権を持つ右の利き腕状態でした。ダニエル8:3ではこのような合併したメド・ペルシャ帝国について二本の角を持つ一頭の雄羊と表現していますが、面白いことにメド・ペルシャ皇帝は戦争のとき通常、王がかぶるはずの王冠の代わりに羊の角のように見える悪趣味なヘルメットをかぶって戦う習慣がありました。しかし、この連合国はダニエルの預言通り、金より銀が劣った物質であるように先代のバビロニア帝国よりは劣った王国でした。

そして、次に第三の国が立ち上がります。その下の青銅の腹とももが意味する著しく目だつアレクサンドロス大王が全土を統治したギリシャ帝国(BC330−BC63)です(ダニエル8:5)。ギリシャ帝国はメド・ペルシャ帝国に侵入して打ち倒しては踏みにじり、非常に高ぶって強くなりましたが、アレクサンドロス大王の死後は帝国が滅び、マケドニヤ、トラキヤと小アジヤ、シリヤ、エジプトへと四分割され、彼の後継者たちに統治されました(ダニエル8:8)。

こうして新時代となり、偶像の最下部の鉄と粘土が交じり合ってできたすねと足が意味する第四の国であるローマ帝国(BC63−AD476)が次に立ち上がりました。ローマ帝国は、すねと足に例えられていますが、人体の両足が右足と左足の2つから構成されるように、東ローマと西ローマに分裂していました。そして、このようなローマ帝国の時代にこそ一つの石が人手によらずに山から切り出され、偶像の急所の足を打ったため鉄と青銅と粘土と銀と金も打ち砕かれ、あとかたなく滅んでしまい、代わりに偶像を打った石が大きな山となって全土に満ちるという幻の意味は、「終わりの日に起きること」(ダニエル2:28)であり、この時代から全土に満ちる天国の統治であり、この偶像を徹底破壊した一つの石こそイエス・キリストの再臨を現わしています。しかしながら、ローマ帝国はAD476年、全土に満ちる「一つの石」の預言を成就しないままで突如世界の歴史からその姿を消してしまい今日に至ってしまいました。そのため、かつてローマ帝国があった同じ限定された地域から終末の第二ローマ帝国とも言うべき国家が再び統治する動きが起こらなければ聖書は完全成就せず、「一つの石」なるイエス様も再臨できません。昔のローマ帝国の地域は今のヨーロッパ地域です。ここに10の国からなる連合国が立ち上がるとき、私たちは聖書の古くから預言する世の終わりのときであることを知ることができます。この偶像は足の一部が鉄で一部が粘土でした。それは、鉄と粘土が互いに混じり合うことのできない物質であるにもかかわらず、人の力で無理に引き合わせた分裂した国々のことです。これらの国々は人体で足の指が左右合計10本あるように、10の国々が互いに団結しようと協定を結んだいわば合衆国でありますが、強い鉄のような国と弱い粘土のような国々が互いの利害関係の中で一致団結することは至難の業であり、聖書はこれについて本当の団結はできないと預言しています(ダニエル2:43)。しかし、協調関係を持つ組織という意味においては可能であり、ダニエル7:24では、同じ「第四の国」について「十本の角」「十人の王」と表現しています。今後のヨーロッパ情勢が注目です。確かにヨーロッパの歴史では、たびたび統一された10カ国連合が立ち上がろうとしていました。1804年にはナポレオンがヨーロッパ統一支配に失敗。1924年にはレーニンの後継者スターリンが東ヨーロッパを統一支配しようと試み失敗。1934年にはヒトラーが第二次世界大戦を勃発させ、ヨーロッパ統一支配の野心を燃やすが連合国介入で失敗。そして、戦後のヨーロッパではアメリカ、ロシア、日本、アジアの新興工業諸国に押されて経済的にかなり厳しく、軍事的、経済的に一致団結しなければ諸国の間で生き残れない状況に強いられてきました。そこで、1957年には、不思議なことに昔と同じ名前ローマがつくローマ条約のもとでEECSSを設立し、ヨーロッパ6カ国が国境を撤廃し関税を取り除き、1958年には、EECを設立。1967年には、これらの経済協力体がさらに進んでECとなり、1992年には、オランダで条約を新たにEUが設立されました。現在これらの加盟国の中にはドイツ・フランス・イギリスのような昔から経済的に強い鉄のような国々もありますが、粘土のような弱い国々も含まれているため、本当の意味での合衆国にはなれないでいます。EUは現在15カ国ですが、2002年からは強いドルや円に対抗できる新しい単一貨幣ユーロ貨を全面使用させ、経済的なヨーロッパ統一はほぼ完成されたと言えます。さらに軍事面ではすでに北大西洋条約機構(NATO)を結んで統一された状況ですから、後は政治的に統一された見解の中で一人の実力ある指導者を立てるだけでよい状況です。

今度の国連決議を無視したイラク攻撃はヨーロッパのアメリカ不信を深めることとなり、ヨーロッパの将来はやはり自分たちが独自に決定する別路線で統一化していくでしょう。今後、親米主義の立場をとるイギリスの動きが注目ですが終末は近いです。聖書はヨーロッパが10カ国に統一された時代に祝福されたイエス様の再臨があることを預言していますが、同時にその時代には卑劣な「もうひとりの王」(ダニエル7:24)が立つことも預言しており、この王は統一されたヨーロッパから3カ国を脱退させ、経済・軍事・政治・宗教さえ統一し「キリスト聖誕以前」と「キリスト統治の時代」を意味する「BC」と「AD」という年号を嫌う性質を持つイエス・キリストに反抗する反キリストです。「彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼそうとする。彼は時と法則(年号)を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間(三年半)、彼の手にゆだねられる。しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。」(ダニエル7:25、26)7年患難時代に残された用意のできていなかった聖徒や患難時代の中で救われた聖徒は三年半、信仰の戦いを強いられますが、時が来れば反キリストは地上に再臨されるイエス・キリストによって滅ぼされ、真の平和と栄光が大きな山のように全土に満ちる天国が統治します。「国と、主権と、天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。その国は永遠の国。すべての主権は彼らに仕え、服従する。」(ダニエル7:27)ハレルヤ